屋根の葺き替えは、屋根工事の中でも最も大掛かり、且つ最も効果の高い施工方法です。
葺き替えは、表面の屋根材だけでなくその下に敷いてある防水シート、さらには下地である野地板まで全て新しいモノに交換します。
そのため、屋根の耐久性や防水性といった機能が新築時の状態に戻るので、建物の寿命を延ばすことにも繋がるのです。
それだけを聞くと非の打ち所がない工法ですが、唯一且つ最大のデメリットとして、費用が高額になりがちです。
葺き替えを検討されている方も、やはり一番気になるのは費用面ではないかと思います。
最終的な工事金額は、一軒一軒お住まいは造りが異なりますので、実際に現地調査を行い、正確な面積を計測し、屋根の現状を確認してからになってしまいます。
ただ、費用を計算するにあたり、葺き替えの工事金額を決定するための項目、目安の単価というものがあります。
一般的な葺き替えの価格相場、そして計算方法をある程度知っておけば、悪徳業者によるぼったくりのような見積もりを見抜く事が出来るようになります。
ぜひ皆様にも目を通していただければと思います。
葺き替えの工事金額を決める項目はいくつかありますので、項目毎に詳しく説明いたします。
葺き替えは、新しい屋根材を設置するので、既存の屋根材は撤去する必要があります。
既存の屋根材をそのまま利用する「葺き直し」では必要の無い費用ですが、葺き替えを行う場合は必ず必要となる工程です。
撤去した屋根材の処分にも費用がかかります。
特に、2004年以前に作られた屋根材にはアスベストが含まれている可能性があり、アスベストが含まれている場合は届出が必要となり、さらに別途アスベストの処理費用が発生します。
屋根材の下にあるコンパネ、野地板と呼ばれる下地が傷んでいる場合は補修が必要となります。
過去に雨漏りが起こった事がある屋根の場合、下地が腐食している可能性が非常に高いです。
下地の補修が完了した後、もしくは下地が綺麗で補修の必要が無い場合、その上から防水シートを貼っていきます。
防水シートは重ねて貼り付けていく必要があるので、実際に必要な防水シートの面積は、屋根の面積より少し大きくなります。
屋根材は非常に多くの種類があり、各メーカーからも多くの屋根材が販売されていますが、それぞれ性能も値段も異なります。
一回限りの工事費用だけで考えず、長い目で見た時のメンテナンス費用も考慮して屋根材を選ぶようにしましょう。
屋根の勾配が急な場合、足場が必要となる事があります。
また、そこまで勾配が急でない屋根でも、周辺の状況によっては足場を組んだ方が良い場合があります。
実際の工事には直接関係ありませんが必要となる費用です。
具体的には作業中に車を駐車しておく際の駐車場代や、廃材などの運搬費用などが該当します。
上述のように、工事費用を決める項目は複数あるので、本来であれば一つずつ詳細な内訳が記載された見積書をもらえるはずです。
しかし、中には「葺き替え工事一式」と、項目をまとめて見積もりを出ような業者も存在します。
見積書は、皆様に対して屋根工事業者が「この金額でこういう内容の工事をします」と施工内容を明らかにするための書類になります。
そんな大切な見積書を「一式」とまとめる業者は疑ってかかるようにしましょう。
後々になって、「一式にはその工事内容は含まれてないんですよ」と言われてしまってはトラブルの原因となります。
「工事一式」となっている見積書を提出してくる業者には必ず内容を確認する必要がありますし、そもそもあまり信用してはいけない業者と言えます。
上記で、葺き替え工事の金額を決める項目をお伝えしましたが、各項目の単価は以下のようになります。
単価は業者によって異なりますし、どの屋根材を選ぶか、屋根の形状はどうかによっても異なります、
表にある金額は、あくまでも相場としてご覧ください。
次にご紹介する見積もりの例は、山田工芸にご依頼いただいた葺き替え工事の実際の見積もり事例です。
業者によって項目や単価は異なりますが、参考にしていただければと思います。
・屋根の面積が100平米、瓦からガルバリウムへの葺き替え
・屋根の面積が120平米、スレートからガルバリウムへの葺き替え