屋根修理・雨漏り修理には火災保険が適用されます。
いえ、正確には「適用される場合がある」と言った方が良いでしょう。
近年では、「火災保険を使って、無料で屋根修理を」というキャッチコピーを掲げる屋根修理業者もいますが、その多くは悪徳業者です。
たしかに屋根修理・雨漏り修理に火災保険は使う事はできますが、無条件でどんな屋根修理・雨漏り修理にも適用される訳ではなく、適用されるには条件があります。
しかし、悪徳業者は「必ず保険が使えます」「絶対に無料で工事ができます」と根拠の無い事を言ってきます。
火災保険について正しい知識を身につけ、悪徳業者に騙される事なくうまく活用してください。
屋根修理・雨漏り修理において、火災保険を使う事ができますが、そのためにいくつか適用条件があります。
一つずつ見ていきましょう。
火災保険が適用されるための条件として、経年劣化や人的な破損の場合には適用されません。
風災・雪災・雹(ひょう)災のいずれかが原因で被害を受けた場合に適用されます。
つまり、屋根の破損や雨漏りが「自然災害によるもの」である必要があるのです。
風災 : 台風、強風、竜巻などの風による被害
雪災 : 大雪、雪崩などによる被害
雹災 : 雹による被害
上記の自然災害による被害を受けた場合、火災保険が適用される可能性が高いです。
ただし、元々の屋根や外壁が経年劣化によるヒビや破損があった場合、雨や雪で雨漏りが発生したとしても、「自然災害」ではなく「経年劣化」が原因と判断されてしまう場合もあります。
保険会社による調査結果がわかるまで、「火災保険を使って屋根修理ができる」とは言い切れないので注意してください。
火災保険には「保険法」というものがあり、屋根の破損や雨漏りといった被害が発生してから3年以内に申請をするように定められています。
3年以内に申請をしないと時効を迎えてしまい、申請ができなくなってしまいます。
また、3年以内の申請でも、あまりにギリギリに申請すると、保険会社から「風災ではなく経年劣化による被害」と認定されてしまう可能性が高くなってしまいます。
期間内でも安心せず、できる限り早めに申請しましょう。
保険会社によって、保険のタイプは様々です。
その中で、「免責方式」というタイプがあります。
免責方式タイプとは、あらかじめ自己負担額を決めておくというタイプの保険になります。
以下は例として自己負担額を5万円に設定していた場合ですが、このように損害額が自己負担額を下回る場合、保険料は発生せず自己負担となります。
損害額30万円の場合 : 損害額30万円 - 自己負担額5万円 = 受取金額25万円
損害額3万円の場合 : 損害額3万円 - 自己負担額5万円 = 受取金額0円
また、損害額20万円以上型というタイプの保険があります。
この保険は、損害額が20万円以上の場合にのみ、保険金を上限まで受け取る事ができるという保険になります。
損害額40万円の場合 = 受取金額40万円
損害額19万円の場合 = 受取金額0円
保険のタイプは様々ですので、火災保険の申請をする際は、申請の前にご自身が加入している保険のタイプを確認しておきましょう。
続いて、火災保険を申請する際の具体的な流れについてご説明します。
基本的にはご自身で行う事もできますが、見積書や報告書は専門知識が必要となりますので、屋根修理業者へ依頼するのが一般的です。
どの業者でも、「火災保険へ申請するため」と伝えれば対応してくれます。
まず保険会社、もしくは代理店に被害の内容を伝えます。
その際、より詳細な状況を説明できた方が良いので、あらかじめ屋根修理業者に相談しておき、見積書や報告書を作っておいてもらうとスムーズです。
報告後に保険会社から申請に必要な書類が届きます。
申請に必要な書類は次の3つです。
・保険金請求書
・見積書
・被害状況報告書・被害箇所の写真
保険会社がアジャスターと呼ばれる調査員を現地に派遣し、実際の現場を見て調査をします。
申請された内容のもとに調査を行い、被害状況の確認、経年劣化によるものか風災によるものかの確認などを行い、被害額を計算した報告書を作成します。
アジャスターの現地調査の報告を受けて、保険会社が保険が適用されるかどうかの審査を行います。
申請が通れば加入者へ保険金が支払われるので、正式に屋根修理業者へ工事の依頼を行います。
ようやく実際に修理工事へと入ります。
業者への修理依頼・契約は、必ず保険が適用される事を確認してからにしてください。
申請したとしても、現地調査員の報告次第では保険が適用されない可能性もあります。
その場合、もしも先に着工してしまっていれば、支払いは満額自己負担となってしまうので、必ず適用の確認後に契約を行うようにしましょう。